日本ミツバチの捕獲駆除(近所の鏡神社)

8月初旬の暑い日。家のそばの鏡神社の社(やしろ)からハチが出てきて・・・と連絡がありました。早速見に行くと社の屋根の隙間から日本ミツバチが出入りしています。
群れはそんなに大きくないなー。
しかし、お参りされる方にとっては脅威のようです。

◎日本ミツバチの住処が少なくなってきた

田舎の山や、鎮守の森にも洞のある大きな樹木が少なくなってきて、ミツバチが巣を造る場所が減ってきています。ですから、人間の建築物に巣を造るようになります。
人が住む家は、ある程度目が行き届くので発見すれば対応しますから、段々減ってきます。その点神社は、目が行き届かなくてハチの巣が大きくなって飛び交うのを見て・・・発見される場合が多いのです。
社は、ミツバチの理想の作りになっています。木々で直射日光が当たらず、高床なので湿度がまわりません。四季を通じて快適な空間です。
そもそも神様が住む神聖な場所ですから悪いはずがありません。日本ミツバチは、そのことを良く知っているのです。
ミツバチにとって、社に小さな入り口が見つかれば、しめたモノです!
このような田舎の神社の社に日本ミツバチが巣を造って困っているという相談が時々あります。

◎作業前の準備

日本ミツバチが出入りして社から・・・
屋根部分に巣を造っていると推測できるので、御祓いをして神様を一次引っ越しさせていただいて、築30年ほどの経ってもろくなっている後ろの板を外してもらうことにしました。作業空間を創るためです。
その板だけ、後で修理してもらいます。
数日後、「神様を移しました」「大工さんに板を外してもらいました」と連絡がありました。

◎生かして捕らえる

今回は、ミツバチを捕獲箱を取り付けた掃除機で吸い取って、後で山に戻す予定です。
社の中を覗くと、天井の端に約30センチ丸の巣がありました。
3ヶ月ほど前に入居して巣を造った大きさです。
この社には、初めて入ったミツバチのようです。
巣を壊さないように掃除機のホースで丁寧にハチを吸い取っていきます。
巣を壊すと、ハチミツがしたたり落ちて社の床もやり直す羽目になります。ですから、慎重に慎重に・・・ああ腰が痛い!!
目の前を、黄色スズメバチが行き交ってミツバチを襲っています。
作業を止めて、捕虫網でスズメバチを追いかけ捕獲して南無阿弥陀仏。
作業は腰が痛くなるので、休憩を兼ねて、スズメバチ退治を何度か繰り返し南無阿弥陀仏をしながら・・・ミツバチを吸い取っていきます。
白いハチの巣の全貌が見えます。
綺麗な巣です。
ハチの巣を、ナイフで取り外します。
採ったハチ蜜は、養蜂場に飼っている日本ミツバチの冬場の餌となります。
作業完了まで、2時間半ほどでした。
トラブル無く、まずます想定した作業内容でした。

捕獲したミツバチは、飼育巣箱に移しておきます。
捕獲箱は蜂場に設置するのですが、このように無理矢理捕獲したハチ群れは、そのまま住み着くことは少なく、ほとんどは次の住処を目指して逃げていなくなります。
それも当然です。突然、巣を襲われて、全てを奪われ・・・掃除機に吸われて、瀕死の状態。
私でも逃げます!
しかし、殺虫剤で絶滅死させることを思うと、とにかく群れが死なずに、上手く森で生き延びて欲しいのです。