冬のニホンミツバチの巣箱内

今年の冬(2012年1月31日)は全国的に寒いですね。
昨年の晩秋から一気に気温が下がり、こちら奈良市も氷点下4〜5度まで下がる日がありました。
私が奈良に引っ越して約8年ほどになりますが、一番寒い冬です。
この寒い冬の中、蜂箱のニホンミツバチはどのような状態で過ごしているかご紹介します。
一月に最低一度は、巣箱の中を写真撮影して、様子を観察しています。下の写真で分かるように、蜂たちは巣箱の真ん中で丸く固まっています。
なぜこのような状態なのか分かりますか?

 

◎ミツバチの体温(群れ温度)

ミツバチの体温(群れ温度)は、暖かい夏場は、35度前後、冬場は32度前後に保つと言われています。
群れで越冬し、且つ30度以上の温度を維持する昆虫は、ミツバチ以外にはいません。ミツバチの不思議です。
アリは、群れで越冬しますが、活動を休止して冬眠します。その場合の体温(群れ温度)は、気温に対応して変化します。
何故、ミツバチが群れ温度を高くしなければならない理由として、まず、寒さで凍え死ぬからです。
次に、幼虫が居る場合、32度以上を保たないと幼虫も死ぬため、保温は欠かせません。
真冬の女王蜂は、卵を余り産みません。働き蜂の寿命は、暖かい季節は1ヶ月間程で、冬場は3ヶ月間ほどの寿命といわれます。
巣箱を観察していると、冬でも少し温かい陽射しのあるときは幼虫の餌となる花粉を集めているのを見かけまから、少数でも幼虫を育てているようです。
そして、冬に保温する必要があるのは、蜜が結晶化して堅くなるのを防いでいると考えられます。
自然のハチミツは、気温が約14度ほどになると白く濁って結晶化がはじまる場合があります。気温がもっと下がっていくと、結晶化が進み蜜が堅くなってしまいます。
ミツバチは、冬を越すために活動できる晩秋までに巣に蜜をため込みます。冬の間は、みつげん植物が少なくなりますから、その間は、その蜜を食べながら冬を過ごすのです。ですから食糧のハチミツが結晶化して堅くならないように保温する必要があるのです。
写真では、蜂の群れの周りに黄色い蜂の巣が見えますが、それらには幼虫とハチミツは既にありません。
ミツバチは、幼虫と残ったハチミツを囲むように保温しながら、寒い冬が過ぎるのを待っているのです。

 

◎冬を越せるだろうか

蜂の群れには、勢力に強弱があります。写真の群れは標準です。
小さく弱い勢力の群れは、今年の寒くて長い冬を越すのは大変です。
保温するためには、沢山の食糧ハチミツが必要です。温度を維持するためには大きな群れの方が有利です。
私の場合、弱小の群れの場合、夏場に巣落ちしたハチミツを給餌し、越冬出来るように助けます。
巣箱の中で、寒さに耐えている群れを観ると、また週末に来る寒波の気温が気になります。
は〜るよ、来い。は〜やく、来い!です。