AgriArt 13:稲刈りは美しい

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10月中旬に、2012年秋の稲刈りをおこないました。
田んぼには、自家消費のお米を作っています。
五畝(一反の半分=約150坪)にヒノヒカリ米、二畝に黒米(うるち系)を植えています。

◎観月自然農園、はざ掛けの風景

稲刈りは、自然農法での米作りで一番豊かさを感じる作業です。
まず、稲を刈り取る前に、刈った稲を干す(はざ掛け)ための、「はざ」を組みます。
「はざ」を組む前に、その位置と方向を決めなければなりません。
基本は、太陽が稲によく当たるように、出来るだけ南北方向に作ります。東から登った太陽は西に沈みますから地形を見ながら位置を決めます。そして、風向きも考えます。
台風など強い風が当たると倒れる可能性があるので、それも考慮します。
そして私の場合は、「風景」を気にします。
はざに掛けた背景には、「御笠山」「春日山原始林」「高円山」が屏風のように揃います。
稲のはざ掛けが終わったときに見る風景が楽しみなのです。
いつしか自然の恵みを噛みしめたいと思うようになり、風景も楽しむようになりました。

◎ザッザッと、鎌で稲刈る音、楽し

米作りの最初の頃、慣れない稲刈りは腰が痛くて大変でした。
でも今は、案外平気に出来るようになりました。
それは、上手くなったと言うよりも楽しく刈れるようになったからです。
田んぼの土の感触、稲株をもつ感触、稲の匂い、雑草から飛び出す虫たち、鎌で刈るときの音、稲がすり合う音・・・楽し。急ぐこともなく疲れたら休み、のんびりやります。

自然農法を続けていると、田畑と一体感が生まれてきます。
田んぼや畑には、一般の有機肥料も無機肥料も、農薬、除草剤など、人工的なモノはほぼ施さない。そして、耕さない。
水は、春日山原始林からの水をそのままいれています。・・・兎に角、寝ころんでも、何にしても安心感があります。
そして、出現する雑草やモグラのいたずら、雨風の影響・・・。毎年変化する自然な田んぼは生きていて新鮮です。
自然農の稲は、活き活きとして野性的で雰囲気が違います。
言葉にしにくい楽しさをたくさん秘めているのが、実は「自然農法」なのです。

◎実りの秋は、天の恵み

今年は、稲作作業で少し手を抜いたので作柄がよくありません。
もう少し、いつもは雑草を取り除くのですが・・・雑草の多いところは、やはりお米の出来が良くありません。負けていました。
例年の2/3ほどの作柄です。来年は、もう少し工夫しようと思います。
ただ、合理的に稲作をやることよりも、耕作放棄地を借りてもう少し田んぼを広げようとの考えです。
雑草は生えても仕方ない。作柄は、この程度が普通と思えばいい。
それよりも新たに放棄地で稲を作れば、充分な食糧として憂い無しです。

田畑作業は嫁と二人の共同作業ですが、特に稲刈りは楽しく効果的でです。
主に私が稲を刈って、嫁がワラで束ねてくれます。
束ねた稲を、はざの下に集めて、背の高い私がはざに掛けていきます。
はざ掛けの稲は、このまま天日で乾燥させ・・・3週間ほどして脱穀します。

◎来年の籾種との出合い

我が家の自然農は、40センチと25センチ間隔で苗一本植えです。
稲刈りをしながら、太い株、細い株を握ると様々な変化が分かります。
そのなかで、あれッと思う株があります。
分岐して太く美しい稲穂の株に出合います。
その稲株は、来年の「籾種」として別にとって残しておきます。
来年は、少し耕作地が増えるかも知れないので、2升以上の種が採れるように残しました。
毎年、自分たちで作った稲から選んだ種で、来年のお米を作ります。
それを繰り返していきます。循環農法こそ、本来の地産地消です。
そして、作るほど我が家のお米になっていきます。