大和ミツバチ(日本ミツバチ)の分蜂のはなし

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◎4月14日分蜂開始

2013年の春、我が家の裏の畑では、4月14日から大和ミツバチ(日本ミツバチ)の分蜂が始まりました。
家裏に15群ほどの蜂場があります。
今年は、少なくとも30回以上は分蜂が行われるはずです。
大小と蜂の群は、どれも皆大きさや巣の作り方が異なっています。
4月27日の今日まで、毎日分蜂は繰り返されました。
多い日は7回確認できました。
止まり樹に留まったり、そのまま飛んでいくのもあって・・・。
分蜂の始まる時期は、気候、地域環境や蜂の状態によって異なりますが、天候(風が弱く晴れで気温の高い日)によってだいたい予測できます。
また、巣門に4ミリほどの白くて丸い雄バチの巣の蓋が転がっているのを発見した場合、分蜂が間近の証です。
雄バチの巣の蓋を発見すると、春が来たー!です。

◎おお〜、雄バチよ!?

雄バチの誕生から2週間ほどで分蜂すると言われています。
雄バチは、分蜂の時につくられます。働き蜂よりも一回り大きな黒い蜂です。
雄バチは、無精卵の蜂の卵から生まれます。
通常のハチの巣より一回り大きなハチの巣をつくらねばなりません。
ですからタイミングを見て計画的に働き蜂が女王蜂に雄バチを産ませているのです。
雄バチは、分蜂時期に女王蜂と交尾を行います。
雄バチは、交尾した瞬間に死にます。なんと〜。
女王蜂は、約10匹以上の雄バチと交尾を行い、ミツバチ(働き蜂は全てメスです)を一生産み続ける精子を身体に貯えます。
雄バチの寿命は、分蜂時期の約一ヶ月。
交尾した雄は、もっと短命です・・・?!

◎ドラマチックな分蜂

大和ミツバチは、その子孫を残すために春の花蜜が一杯採れる季節に蜂群を大きくし、同時に新たな女王蜂をつくって、蜂群を分割しながら種の保存を行います。
ひとつの群れに一匹の女王蜂が基本です。
人間や動物は子供を生むか卵を産み子孫を残します。植物は種を残すか、根を伸ばして増えます。
しかし、ミツバチの特殊なところは、動物のひとつの細胞のように群が分裂して増えるのです。
細胞の中心(核)が女王蜂です。
しかし、女王蜂同士は同居できません。
匂い(フェロモン)が違うためです。
群を形成する場合、中心の女王蜂の匂いで仲間(自分たちの生命体)を見分けます。
ですから、ひとつの群の中に二つ以上のフェロモンは同居できないのです。
同居すると殺し合いが始まります。

ひとつの巣に新たな女王蜂(長女の女王蜂です)が生まれる寸前に、現在の女王蜂(母親の女王蜂)は、群の半数ほどを引き連れて巣を出ていきます。
母親が出るのは人間社会とは大きく異なりますね!?
なんと社会性昆虫と言われるミツバチは、嫁と姑との争いを母親が出ることによって避けるのです。
また、分蜂するときに母親女王蜂にどの働き蜂が付いて行くかは、働き蜂達の中で決められるようですが、謎です。
そして、次の女王蜂が生まれようとする前に巣を出ます。
これが分蜂です。

◎行き先が決まるまで待つ体勢「分蜂蜂球」

ミツバチは、巣の近くの樹の太い枝などに「分蜂蜂球」をつくって、新たな住処が決まるのを待ちます。
中に女王蜂を抱え込んでいます。
分蜂する頃には、複数の先兵隊の働き蜂が手分けして住処探しに出ています。
新たな巣として良いところ(新居探しは人間と同じです)を、合議制のような形で順次優劣を付けながら絞り込んでいるようです。
陽当たりや、巣内空間、湿り気、風当たり、巣の入り口の大きさ、巣のある空間環境などを考慮しています。
すぐに見つかれば数時間で一斉に飛び立ちますが、見つからない場合、何日もずーっと留まっています。
話によると2週間ほど留まって、ついに順番に死んでいったという話も聞きます。
「家は出たけれど・・・」です。

ちなみに、ミツバチは分蜂の前にお腹いっぱいにハチミツを溜めて旅経ちます。
「分蜂蜂球」での待機期間や、新たな巣に到着しても蜜を溜める巣が無いわけですから、巣作りが出来るまでしのぐために沢山お腹に抱えて出るのです。
大和ミツバチの「分蜂蜂球」は小さいのは、千匹ほどで、大きいのは1万匹を超えます。
また、女王蜂は、蜂群の大きな巣では3〜4回ほど分蜂を繰り返します。
だいたい最初の分蜂は、大きな「分蜂蜂球」をつくります。
1回目の分蜂から2回目は、数日後にあります。
3回目以降は、一日おきとか、短期間に続く傾向がありますが、天気の影響もあって・・・雨や寒くなった場合はずれるようです。
なぜなら、天気の良い日は一斉に分蜂しますから・・・天気の影響があることは確認できます。
しかし、雨の中でも、寒くても分蜂は行われます。
多分、次の女王蜂が生まれるので・・・待ってくれないのでしょう。

◎「分蜂蜂球」に指!?

大和ミツバチの分蜂蜂球を観察すると、最初はバラバラにざわついて集まった蜂たちが、徐々に塊になって静かになっていきます。
みんな上を向いて落ちないように捉まっています。このことから前足が強いことが分かります。
整然と並んだ蜂球は美しいです。
西洋ミツバチは、逆さになって蜂球をつくります。足の方が強いのでしょう。

大和ミツバチは、西洋ミツバチよりもはるかに温厚でおとなしいといわれます。
実際どうなのか、蜂球に指を突っ込んでみました。
レースのカーテンがぶら下がって層になっているかのようです。
中は少し暖かくなっています。
次に、持ち上げるように撫でます。
少し驚き、嫌がっています。
整然と上を向いて分蜂蜂球を形成していた蜂たちが乱れました。
しばらく、放っておくとまた美しい蜂球にもどりました。
不思議な生き物・・・大和ミツバチは、おとなしいです。