逃避した大和ミツバチのちいさな巣

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大和ミツバチの分蜂群を巣箱に入れて4〜5日経つと、知らぬ間にいなくなった。
分蜂群を捕獲しても全ての群れが居着くことはないのです。
以前は、半分は逃げてしまっていたけれど、今でも2〜3割が逃げてしまいます。
なぜ居なくなるのか?いろいろな要因が考えられますが・・・。
少しは大和ミツバチの行動を理解してきたけれど・・・まだまだ野生種の大和ミツバチ群の行動は神秘的で不思議がいっぱいです。
ちなみに、家畜化された西洋ミツバチは逃げません。
(※家畜化されていない野生種の西洋ミツバチは、大和ミツバチ同様に逃げます)
何故か?群れ全体に伝わる「逃げろ!」という言葉が無いのです!ですから、西洋ミツバチが家畜に適しているのがよく分かります。人類の長い家畜化の歴史のなかで、そのような種を残してきたのでしょう。

逆に、大和ミツバチには「逃げろ!」という言葉があります。
「逃避フェロモン」(匂い)をだして皆に知らせます。
「この巣箱から逃げるぞ!」・・・そうなると、匂いの付いた巣箱に、再度入れても居着くことはありません。
ミツバチは、どのような場所であろうと誰かが「逃げろ!」といって飛び出すまでは、各自の仕事を行います。巣を作る役割のハチは一生懸命に巣を作ります。
しかし、「逃げろ!」といって巣を離れるときは、1万匹ほどハチが一斉に飛び出して、あっという間に黒い群れとなっていなくなります。行方を見ると・・・既に、次に移る巣場所を見つけているのですね。

逃げたばかりの巣箱の様子を観察します。

ちいさな作りかけの白い巣がありました。
中に黄色い花粉が少しあります。花粉は幼虫の餌となります。
早速、溜めようとしたんですね。
いつも四角い天井の端から巣は作られます。
巣の方向は、出入り口に向かってまっすぐに作る場合と、斜めに作る場合があります。
この巣箱は、斜めに作ろうとしたようです。作り始めの巣から六角形の巣形を作っています。

実際の巣は、もう少し奥行きがありますが、構造的には同じです。
素材は、ミツバチが出す蝋(ロウ)です。
ロウソクのロウと似ていますが、微妙に違います。
西洋ミツバチの蝋と大和ミツバチの蝋も違います。どちらも蜜蝋(みつろう)と呼ばれます。
成分から来ると思われる「匂い」が明らかに異なります。
巣を溶かして不純物を取り除くと大和ミツバチの蝋は、色も黄色くて香りも良く、アロマテラピー(芳香療法)にも使われるほどです。
ロウソクにするには、非常に高価なロウソクになります。
(・・・今度、つくってご紹介します。)

六角形のミツバチの巣は、構造的にも非常に強固で、少ない材料で作られます。
しかし熱には弱くて、60度ほどの熱で完全に溶けてしまいます。
夏場、暑い場所に置いた巣箱は、蝋が溶けて巣が落ちてしまうことが度々あります。
そうなるとミツバチ達も災難です。
溶けた巣に挟まって死んだり、流れた蜜に濡れて死んだり・・・。
女王蜂が事故に遭うと、巣が消滅しますから、巣が溶ける事態は、非常に危険なことなのです。

大和ミツバチ達が逃げないように、巣が落ちないように・・・
自然の摂理に添って・・・日々、大和ミツバチの身になって、「ミツバチ達が望む快適な環境創り」が、大和ミツバチ養蜂のメインテーマと言えるのです。