AgriArt 今を生きるために、「不耕起・冬季湛水農法」の試み

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10月に稲刈りして、その後、11月初めに刈り取った田んぼに、米糠を蒔きました。3回目の自然農法の田んぼは、まだまだ従来の田んぼの様相から抜け出せません。
というのは、川口由一さん(http://iwazumi2000.cool.ne.jp/)に学んだ自然農の田んぼは、雑草がいっぱい根を張って、草の根で田んぼの土がふわふわになります。土と草の根のクッション状態です。そうなると地力も充分で米糠も必要なくなります。しかし、そのようになるには、約8年ほどかかると言われます。
ところで、4回目を迎える2012年度の稲作は、冬期湛水といって冬場にもずーっと田んぼに水を張りっぱなしにする方法を試みることにしました。田んぼに年中水を張って米を作る方法(冬季湛水法)です。この方法は、むかし、休耕田を復元するときなど雑草を刈り取って、そのまま水につけて肥料化して田んぼにする方法から来ていると思われますが、現在では多くの方が工夫を凝らして、冬季湛水法を試みています。
代表的なのが、岩澤信夫さん(http://www.ruralnet.or.jp/ouen/meibo/016.html)の冬季湛水法と不耕起による農法で、田植機の開発と共に自然農法を取り入れた近代農法の新たな普及に努めておられます。
また、新潟県の戸辺秀治さんは、不耕起・冬季湛水の方法で日本一高い米を作って話題になっています。
1俵(玄米60kg)が卸値8万円で販売されるとのこと、一反で6俵収穫するそうですから、一反で48万円の販売となります。これは通常の一般的な農法(慣行農)での米の卸値の10倍以上です。また、このお米の東京での小売販売価格(2010年)は、1俵(玄米60kg)が22万円、精米した白米1kg 4,074円です。まさに日本一です。

卸値の10倍以上のお米ということは、戸辺秀治さんは、一反の不耕起・冬季湛水で、慣行農での10反の耕作効率になります。我が家と同じで、全て手作業で、無農薬、実肥料、不耕起・冬季湛水です。
ホントに凄いですね。これが出来るなら、日本の多くの方が就農を目指すと思いますね。
しかし、目指し近づくことは出来ても、何処でも、誰でも真似ができるものではありません。

不耕起・冬季湛水で難しいのは、まず、田んぼの空間立地が問題になります。
自分がいくら無農薬でやろうとしても、田んぼの水は上から下に落ちてきますから、我が家の田んぼの水路の上に、有機肥料や化学肥料などの農法を行っている田んぼがあれば、厳密に言えば水が汚染されますから難しくなります。
そして、年間の水の継続利用です。農業用水は地域毎に治水管理を行うために水利組合があります。この組合の許可を必要とします。ため池利用の場合など冬場は水を抜きますので、水の利用が出来ない地域も多いのです。しかし、水利組合体制が曖昧な地域もあって、その場合は、立地さえ良ければ可能となります。
岩澤信夫さんの不耕起・冬季湛水法の場合は、井戸を掘ることを推奨されておられます。上記の難しさをクリア出来ない農家に対しての方策ですが、費用的にも難しい問題が残されています。
このように不耕起・冬季湛水によって新しい農業が始まっています。で、我が家も今年で、2回めのチャレンジです。
日本一高価な米ではないですが、自分たちの納得いく米作りを目指します。米を作って売ることではなく、自然と共に生きることを学びたいものです。