◎兎に角、あの羽音で眠れない〜
2012年、猛暑の7月31日のお昼に駆除に出かけました。
暑いので、屋根裏作業がどうなるのかと・・・兎に角、現場の状況を確認してからの判断となります。
ニホンミツバチの巣は、離れの2階の南西の屋根裏にありました。
軒下の隙間から蜂が出入りしています。
依頼者は、夜も羽音が気になって眠れないとのことでした。
◎蜂の巣が溶けて崩れ落ちた
さっそく、二階に上がってみると床に水が溜まって?!・・・と思ったら、ハチミツが1リットルほど溜まっていました。天井を見上げると、その形跡はありません。
南西の屋根裏に蜂の巣があるはず・・・天井に穴を開けてファイバースコープで場所を確認して、依頼者の承諾・依頼のもと天井を切り取りました。
ご覧のように、形が崩れたミツバチの巣がコーナーにありました。
天井部に崩れ落ちた巣が落ちています。
蜂たちは、崩れた巣と壁面に平たく固まっています。
この巣は、多分7月ごろに熱さで巣が溶けて落ちたのでしょう。
蜂の巣は、蜜蝋というロウでつくられています。
60度ほどでロウは、とろとろになりますが、40度を超えると柔らかくなり、蜜が蓄えられた重い巣は持ちこたえられなかったのでしょう。
また、一般にミツバチは、自然な木の洞に巣を造る場合、天井と周囲をしっかりと固定しながら巣を大きくしていきますが、この場合、天井とL方向の壁で巣を支えるには支持強度が足りなかったのだと考えられます。
そして、巣の場所ですが、南西の陽射しをもろに受けてる天井裏は、最も暑くなる場所です。
結果としてミツバチたちの場所の選定に問題があったのですね。
◎巣の撤去
天井を開けたことによって作業がし易くなりました。
また、両側の壁の窓を開け、扇風機も付けながら・・・。今回は、蜂をよけて、崩れた巣を先に撤去し、後でまとめて蜂を捕獲する作戦にしました。
ドライヤーの冷風でミツバチをのけながら、蜂の巣を撤去します。静かに着々と撤去します。蜂たちはさほど大暴れしません。
次に、撤去が終わると、蜂をまとめて捕獲するわけですが、近くに空の巣箱を持っていき・・・女王蜂がいるであろう蜂の群をすくって巣箱の中に入れる作戦です。・・・ここで、小休止。
撤去した巣や道具をひとまず、一階におろします。
そして、約10分後、作業をはじめようとすると、あの音が始まりました!ーーーーぶーぶーぶーぶー・・・、分蜂の時の音です。
蜂の群全体が移動するときの音です。
約1万匹以上といったところです。
次々と、蜂は屋外に出て行きます。
空を竜巻のように飛び回ります。
約10分ほどで大方の蜂が出ていきました。そして、50mほど離れた家の、松の木の上の方に固まりました。
地上から約7m以上あるでしょうか。
残念ですが捕獲したくとも手が届きません。
しかし、多分ですが、この蜂たちは数は減少するでしょうが生き延びると思います。
依頼者が、ミツバチを殺傷しないで捕獲・駆除する方針である大和ミツバチ研究所に連絡をいただいた目的は果たせました。
もぬけの殻になった巣。アシスタントで同行した、蜂アレルギーの我が奥さんが後片付けをやってくれました。
無事終了です。