(4)サバンガン村(Sabangan) でのインスタレーション  in フィリピン

エコ・アートフェスティバル in フィリピン 2012.11.24・25

◎フィリピン最長のチコ川の源流

DATAの小学校で野焼きをした後は、サバンガン村での活動です。
サバンガン村の谷の中央にフィリピン最長のチコ川の源流が流れています。
それは、日本の渓流の渓相とそっくりです。
私は、日本でアマゴやイワナ、鮎釣りが趣味なので思わず川中の魚の存在を目で探ります。
しかし、魚が非常に少なく雑魚も確認できませんでした。
人間の身体で言えば、川はその地域の血管です。その上流地域の「鏡」です。
川が汚れていたり、生物が少ない場合、その地域は痩せて荒廃した地域といえます。
サバンガン村のチコ川の源流域は、水こそ透き通っていましたが、生物が少なくその上流部が痩せた地域であることを示していました。
川に焼き畑で樹木が少ない山々が見えます。

◎チコ川の橋でのインスタレーション

サバンガン村で宿泊しながら、山本公成さんのインスピレーションを元にチコ川でインスタレーションの「計画」の準備を始めました。
まず竹を集めます。
竹は、日本ではどこにでもある材料ですが、フィリピンの山村では一本数百円の値がするほど貴重な材料です。
しかし、村の長老らが我々の「計画」を知って、竹を提供してくれることになり、また作業を手伝ってくれることになりました。
竹は思ったほど集まらなかったのですが、兎に角実施にこぎ着けました。

竹の節毎に、細い穴を開けて竹笛の「歌口」を作ります。
一本の竹に、少しずつ角度を変えて「歌口」を作ります。風の向きが変化することを予想して・・・。
そして、チコ川の橋に並べました。
遠目からは「富士山」の形をイメージして作ったのですが・・・。

◎聞こえる「山河の息吹」

山の尾根に当たって冷えた風は、塊をつくって谷を下ります。
風が吹く毎に、あちこちの谷の風が集まって、いつしか谷川を下っていきます。
狭い谷は速くなって、谷が広がると風は拡がり速度は落ちます。
木々を揺らし、川面をたたきながら風の塊が川を下っていきます。
私たちは、橋の上で風がくるのを待ちます・・・。
しばらくして、“鳴ってる!”“ほら、鳴ってる!”
橋に立てたバンブーが「ブー・・・ブォー・・・」と唸るように鳴りはじめます。
「山河の息吹」です。
大自然の息吹が笛を吹き始めました。
感激です。本当に聞くことが出来たのですから・・・。

その「山河の息吹」がどこから来るのか?を思ったとき、大自然の存在を感じるでしょう。
見えない風で繋がっています。

橋の向こうには小学校があります。
子供達が行き交う橋です。
子供達が・・・この「竹の歌」「山河の息吹」「大自然の存在」に気づくことを祈って!

次回は、「サバンガン村でのエコ・アートフェスティバル」をご紹介します。つづく