我が家の田畑を「観月自然農園」と呼んでいます。
自然農をやっているとやはり自然への感謝の気持ちが不思議と湧いてきます。
4年前のある夜、田んぼに行く途中、見上げた空に美しい真ん丸いお月さんが笑っていました。
田んぼでお月見をやろう!っと思いつきました。
観月自然農園は、御笠山と春日山原始林の山水をそのまま田んぼにひいてお米を作っています。
見上げたお月さんは、あの有名な百人一首の安倍仲麿(阿倍仲麻呂)作の詩、
「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」
その同じ場所から顔を出す、そのお月さんです。
そして、4年前の中秋の名月を観る「観月祭」をはじめました。
沢山の友人や近所の方々に応援していただき、田んぼでお茶の野点や音楽コンサートをやっています。
今は、飲食は各自が持ち寄り、宴を楽しんでいます。
昨年は、台風で残念ながら田んぼで出来ずに、我が家で日を改めて行いました。
今年は、9月19日の中秋の名月の日を予定しています。
昨年の秋、ふと思ったのが「丸い田んぼ」です。
お月さんのような丸い田んぼにしようと。
あまり深い意味はないのですが、自然農はほとんどが手作業ですから「もっと自由に!」と思ったのです。
機械で行う田んぼは、作業の効率を求めて直線的ですが、自然農の田んぼは、どんな形でも作業はあまり変わらないのです。
今年の春3月に、丸い田んぼを作りを開始して10日ほどで仕上がりました。
まん丸ではないですが、半分強ほどの丸い田んぼです。
空から観おろすと多分、半月の形です。
作業は、既存の畦を壊して再構築します。全て手作業ですから案外重労働です。
また、手で積んで作った畦は簡単に水漏れしますので、完成した後は畦の上を何度も妻と一緒に歩きました。
なんども水を入れて湿らせて、畦を踏み固めるのです。
しかし、モグラの穴もあったのでしょう。水は簡単に漏れてしまいます。
そこで、畦の内側に溝をほって、溝を泥にしてかき混ぜて固め、畦板で囲う方法をとりました。
水漏れは少しずつ止まってきます。
数年すれば、畦は堅く引き締まってきます。それまでの辛抱です。
丸い田んぼの中で作業をしていると、今までと違った落ち着きを感じました。
ホントに不思議です。
丸い田んぼの内側は、何故か落ち着きます。
6月に田植えを終えて、秋の黄金色の景色が今から楽しみです。
いつしか・・・鴨のつがいが、丸い田んぼに早速訪れています。