床下の日本ミツバチの巣の撤去(大阪府門真市)

家の床下にハチの巣があるようで駆除して欲しいと依頼があったのが5月初旬でした。
養蜂と田んぼ、畑の準備やら忙しくて、門真市まですぐに対応できないです。
待っていただいたら行きますが・・・。
で、お伺いできたのが9月2日の雨の日でした。

車が行き交う国道沿いに面した家の裏です。
裏庭に向かっている換気口から大和ミツバチが出入りしていました。
隙間から覗くと、すぐそこにハチの巣を確認することが出来ました。
相当大きな群れとハチの巣であると推測し、対応策を依頼者と相談です。
外部からの撤去は難しいので、簡単な作業ではありません。
選択肢は、
(1)換気口を塞いで閉じ込めてしまう。
その場合、他の出口があればモグラたたき状態になるが、なければ群れは消滅します。
但し、ハチミツがあるのでアリがやってきます。
この方法は、依頼者本人で出来ます。
(2)燻煙駆除をしてハチを殺す。
換気口から、駆除用の薬剤を床下に充満させてハチを殺す方法。
この方法は、生け捕りや逃がさない方法なので基本的にお断りしています。
他の業者にお願いしていただきます。
また、この場合も、ハチミツが残るのでアリがやってきます。
(3)屋内の床を外して撤去する。
この方法が、一番大変ですが基本的対応になります。
ただし、床下の清掃と床板の修復が必要となります。

以上の3つから依頼者に選んでいただきました。
依頼は作業(3)です。

床板にドリルで穴を開けて、スコープで覗きハチの巣の位置を確認します。
そして、作業が出来るように端の方から最小限の床板を切り外します。
大きなハチの巣です。
直径50センチ、高さも50センチ近くあります。
端の方から、ドライヤーでハチを追い出しながらハチの巣を剥がしていきます。
ハチの巣は、細い板のツララといった感じで、7ミリほどの間隔を開けて連なっています。
白く観えるハチの巣は最近作った巣です。
時間が経った巣は、黄色く濃い色になります。
濃い色のハチの巣の蜜は濃く、白い巣は薄いのが通常です。

我が家ではハチの捕獲・駆除で取った巣蜜は、冬のハチの餌としています。
冬を越えるためにどうしてもハチミツが足らない群れがあります。
砂糖水ではなく、そのハチミツを水で薄めて給餌します。
捕獲・駆除したハチミツは、どのような状況・環境・場所で貯蜜されたかの確認がありません。
安全性が確認できないのです。
また、作業上、砂やほこり、ゴミなどがどうしても混ざってしまいます。
また、濃い蜜と薄い蜜が混ざって糖度が下がって、発酵しやすいハチミツになってしまいます。

ハチを奥に追いやりながら巣の撤去作業を進めます。
9月初旬なのでハチの攻撃は、あまりありません。
巣が大きいために落とさずに撤去するのが難しいです。
ほぼ撤去した後、できるだけ巣を削り落とします。そして、ぞうきんでハチミツをふき取ります。完全には無理ですが、アリが来て増殖するのを出来るだけ防ぎます。

巣の撤去作業終了後、ミツバチは、床の奥の方で塊をつくっていました。
今回は、ハチが逃げるように・・・あえて捕獲しませんでした。
屋内の床穴を段ボールで塞ぎます。換気口は、開けたままです。
早ければ、明日。または、一週間以内にミツバチはこの床下の住処から離れて、どこかへ移動します。
その後、換気口を塞ぎます。
ミツバチは、床に残った蜜を吸い取って次の場所で生き延びるのを祈るしかありません。
また、民家に入らねばいいのですが。
自然の森に棲む洞などが少ないことが、ミツバチが民家に住み着く大きな要因なのです。

ハチの捕獲・駆除で大変なのは、状況に対応したやり方を模索することです。
また、その中でもハチミツ(巣)の処理が大変です。
手袋など完全防備の服は勿論、ハチミツでどこもかしこもベトベトになってしまうからです。
ハチミツ(巣)の処理と取り扱いは特に注意が必要です。
作業終了後の衣服や道具の清掃もなかなか大変な作業となります。