大和ミツバチが、種を残すために毎春に分蜂をします。
今の女王蜂が、新しい女王蜂を生んで、群れを分割して増やしていくのです。
新しい女王蜂は、長女だけではありません。
同時に5つほどの女王蜂候補を創ります。
ミツバチの群れ(コロニー)が順調に大きくなると、順番に女王蜂となります。
そして、次々生まれると女王蜂は、その座を次に生まれる女王蜂にゆずって分蜂していくのです。
健全な群れ(コロニー)なら1つのシーズンに3回ほどの分蜂が見られます。
分封したそれぞれの群れの大きさは異なります。
最初の分蜂時が一番大きな群れと成るのが一般的です。
分蜂するときは、自分達の巣の近くに蜂群をつくり、次の棲家が見つかるまで留まります。
その蜂群は、樹木の一部になった様に擬態化します。
多分、昔々はスズメバチ以外にも鳥などの外敵が存在したのでしょう。
新たな巣を探しに行く偵察蜂以外は、じーっとして待っています。
ちなみに、女王蜂はこの蜂群の中にいて、匂い(フェロモン)で仲間を統率しています。
他の群れのミツバチが、紛れ込む場合は匂いの違いを察知して排除したり殺したりしています。
高い木の上に蜂群がある場合、捕虫網などで捕獲して空の巣箱に放り込みます。
画像の捕獲した分蜂群は、かなり大きなものです。1万匹以上はいるでしょう。
捕獲した蜂群が数日後に逃げ去る場合も多々あります。
がっかりもしますが、それが、ほとんど逃避しない西洋ミツバチには無い、野生種の大和ミツバチの知恵の深さと神秘的な魅力と言えるでしょう。
そして、大和ミツバチ養蜂の難しさなのです。