今年も無事、お米の収穫が出来ました。
自然農法(不耕起無施肥無農薬)でのお米作りのおもしろさの一つに種の更新があります。
毎年、自分たちが収穫した籾から種籾を選別して来期の種籾とするのです。
我が家では、1本づつ苗を手植えしてお米作りを行いますから、一株一株の稲を刈り取るときに、その稲穂の付き具合やバランス、健康美などを観てその籾が優秀かどうか判断できます。
農協などから苗を買って行う慣行農(一般の田んぼのやり方)は、田植機がつまめるように3〜4本の苗が一株になっています。ですから、出来た株からどの籾種が優秀だったのかが分からなくなり種として使えないのです。
毎年出来た稲から、種を選別して、それを繰り返し行うと「ヒノヒカリ」という同じ品種でも、何時しか何処にもない自分たちのお米になっていきます。
画像にあります、お米は今年選んだ種籾用の株から採った籾です。
一昨年から、「ヒノヒカリ」の中で一段と背の高い稲が現れてきました。
15センチほどすらっと腰が高い感じの稲が、田んぼの所々に現れてきました。籾のヒゲが本来のヒノヒカリよりも長くて多いのです。
今年は、あえて従来のヒノヒカリと、背の高いヒノヒカリを分けて植えました。
結果は、背の高いヒノヒカリがやはり実りが良くて豊作でした。
ただ、食味は少し落ちる感はありますが・・・。
以前、赤米や黒米を隣接して植えていた時期もあり、交雑して新たなヒノヒカリが出来たようです。で、これを我が家では「ツキノヒカリ」(月の光)と命名しました。
観月自然農園、我が家のオリジナルです。
稲刈りの時に、これ!と思った稲株を種籾用として選んでおきます。
その一株の穂と籾の詳細を観てみることにしました。
一株は、30以上に分岐していました。
たくさん出来た稲穂は、5円玉の絵面のように長くてふさふさと美しいです。
長い穂は、23センチ近くもあって、その穂には約150〜180粒の籾が成っています。そして、一株に実る籾を数えてみると、なんと約5450粒ありました。
こんなに沢山の籾がなった株を、今まで我が家の田んぼでは見たことがありません。
一般の稲がどの程度なのか分からないですが、以前、数えた株は多くて約3000粒ほどでしたから、その差は凄いですね。
AgriArt〈ひと粒の米〉〈ひと株の稲〉〈一枚の田んぼ〉→
でも、1粒のお米が、5450粒になるなんて、凄いですね。
籾が全て発芽できませんが、来年、我が家のお米の苗は、これで充分まかなえます。
この一粒で、1年分のお米がまかなえる。
我が家が生きていくことが出来る。
「一粒のお米のちから」
自然は凄いですね。
お米は、凄いですね。
来年は、このツキノヒカリの種籾を育てます。
そして、また5450粒の中から、種籾になる新たな一粒のお米を探します。
・・・どんな籾と出会えるか、今から楽しみです。
AgriArt。