撮影したのは、2016年7月27日です。
2012年頃から、春日山原始林がこのような「紅葉」の風景となって、2014年頃からその南の、高円山に移り、2015年の昨年頃から、その南の鹿野園、天理方面へ、今年は、桜井市、大神神社の三輪山の手前まで移動しています。
「ナラ枯れ」という現象です。「カシノナガキクイムシ」という虫が「ナラ菌」という病原菌をミズナラやコナラ等に伝染して木を枯らします。大群で主に大きなミズナラやコナラの根元から3〜4m付近までの幹に入って巣を作り、それに反応した木が水を上げるのを止める・・・そして、枯れるという現象です。
カシノナガキクイムシは、北海道など一部を除きほぼ全国的に害を与えています。
私が見ているナラ枯れの伝播は、北陸方面で発生して石川県、福井県、京都府、そして南下して奈良県へそして、南下移動しています。
奈良盆地から東部を観ると現在は、画像のような夏なのに驚く状況です。
奈良盆地西部の生駒山系や、矢田丘陵もカシノナガキクイムシで枯れた木々が沢山見受けられ、同じように南下しています。
発生原因もはっきりせず、抜本的な対策は、ないようです。
松食い虫によって枯れていったのと似ています。
複雑に絡んだ自然の生態系が崩れたのでしょう。
何かが減ると、何かが増える!・・・。
広葉樹の木々が枯れた後、餌となるドングリが激減します。
そうすると、それを食べていた動物たちはどうなるのでしょうか?
熊やイノシシやうさぎや鹿、鳥やリス、狐・・・などなど。
カシノナガキクイムシが枯らした森に棲む動物たちは、今年の秋頃から町に降りて獣害と呼ばれ殺されるのでしょうか。
大きな木々が枯れて、動物たちが少なくなった森は、私たちが予想できない変化を次に迎えるのでしょう。
それは、大和ミツバチの激減状況と似ているかもしれません。
自然は複雑に絡み、繋がっていますから・・・。
ひとつやふたつの問題で引き起こらないでしょう!
自然を開発破壊するとバランスが崩れます。
自然は、その都度どのような反応をするか分かりませんが、カシノナガキクイムシの発生は間違いなくそのひとつでしょう。
自然を破壊すると・・・きっとバランスをとろうともがきます。
夏の山に、沢山の「紅葉」のような枯れる木々を見ると恐ろしくもあり、それが、だんだん大きなもがきになってきているように感じます。
山の近くに行かれるときは、一度、足を止めて眺めて下さい。
下の画像は、奈良公園のそばの春日山原始林(奥の方)は、ナラ枯れの害を既に受けて枯れてしまった後なので「紅葉」のような樹木はほとんどありません。手前の、高円山もだいぶ害を受けた後ですが、今年も少し枯れた木を見ることが出来ます。
それよりも南の山並みは、ナラ枯れで大変の状態です。