スズメバチ駆除器(トラップ)の作り方

秋になると40〜45mmもあるスズメバチが、新たな女王蜂を生み出すために活発に餌探しをおこないます。
スズメバチは、基本的に肉食系昆虫で、ニホンミツバチをはじめ多くの昆虫を攻撃します。また、動物の死骸も食糧とします。
二ホンミツバチを飼育すると、スズメバチの攻撃に備えなくてはなりません。
そこで、スズメバチ駆除器の登場です。
画像のように、ペット容器に穴を開けて、スズメバチが好む匂いの液を入れます。
スズメバチは、匂いに惹かれペット容器に入るのですが、出られないように工夫して捕獲するのです。アシナガバチの捕獲にも有効です!

◎〈スズメバチ駆除器〉の作り方・・・Aタイプ:画像参照

(1)2リットルの空のペット容器を利用します。
(2)下から2/3程の高さの両側に、直径3〜4センチほどの穴を画像のように開けます。中心に穴を開けて、ハサミで放射状に3〜4センチカットします。
(3)放射状にカットした後、容器の内側に向けて折り曲げていきます。そして、直径1〜1.5センチほどの空間が出来るようにします。
(4)容器のキャップを閉めて、キャップ周りをひもでくくるか、針金で絞めて止めるか・・・〈集蜂液〉を入れて木の枝や軒下に吊します。

▼Aタイプは、簡単に創ることが出来ますが、穴から雨が入りやすく、また、使い捨てになります。
また、蜂は入り易いのですが、作り方によっては逃げ易く穴の調節が微妙です。

◎〈スズメバチ駆除器〉の作り方・・・Bタイプ:画像参照

材料は、
(1)2リットルの空のペット容器を利用します。
(2)入り口のある方をカットして、ピッタリ合うように逆さまにします。
(3)グレーの屋根は、田んぼの畦に水漏れを防ぐ〈畦シート〉というモノを適当にカットして、水が入らないように屋根にします。
畦シートの代わりは、軽くて腐らないモノなら、なんでも良いです。
(4)針金で、(1)(2)(3)にそれぞれが合わさるように、穴を開けて止めます。
(5)針金を長く残しておいて、木の枝や軒下にぶら下げます。
(6)〈集蜂液〉を入れて、ぶら下げるか、ぶら下げてから〈集蜂液〉を入れるかして使用します。

▼Bタイプは、Aタイプよりは、複雑ですが、さほど難しくもありません。針金を抜いて適当に洗って再利用出来るようにしています。雨も入りにくく、入った蜂はなかなか出られない仕組みです。

◎〈集蜂液〉の作り方

酒、酢、みりんなどを適度に混ぜて作りましょう。
私は、2リットル容器に2本ほど作って、それぞれの蜂場を回って液を充填していきます。
スズメバチ駆除器は、スズメバチと多くのハチが入ります。そして、蛾や、ブンブン、ハエなども季節によって入ります。

◎スズメバチ駆除器は、春先が大切

スズメバチ駆除器の設置は、春の3月下旬に設置します。
(6月まで設置)そして、再度8月下旬に設置し直します。
(10月まで設置)特に、春の設置は重要です。
春に入るスズメバチは、大きいスズメバチです。
それは、ほとんどが女王蜂なのです。
女王蜂を一匹捕獲すると、ひとつのスズメバチの巣を獲った(駆除した)ことになります。
秋に捕獲するスズメバチは、ほとんどが働き蜂です。
春に沢山スズメバチの女王を捕獲すると、その地域では秋の出現が減るのです。

ミツバチと違って、スズメバチは越冬するのは女王蜂だけです。
春先に、女王蜂は古い倒木の隙間から出てきて、独りで小さな巣を造り始めます。そして、産卵し、生まれた働き蜂が順次巣を拡大していきます。
ですからスズメバチやミツバチ以外の駆除は、生態系のタイミングが大切なのです。
春に捕獲する女王蜂は、とにかくデカイ!

◎闇雲にスズメバチを駆除するのは?

スズメバチは、ミツバチにとって大敵ですが、箱の構造やちゃんと管理を行えば、スズメバチで死滅することはほぼありません。
また、日々新陳代謝を繰り返すミツバチは1〜2万匹という数で群を維持していますから、数百匹減ったとしても群の活動には、ほとんど影響しません。

ハチを駆除する目的が、地域によって大量に繁殖しているための調整とか、危害があったための防衛策などの場合以外は、生態系を配慮したいものです。
スズメバチは害虫とは限りません。
私たちが知らないだけで、生物の生態系、循環バランス(自然)が必ずあるのですから。

スズメバチ駆除の方法:スズメバチの生態

「貼り付けスズメバチ駆除器(トラップ)」の作り方

オオスズメバチの女王

5月の黄色スズメバチの巣